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当院は小児の新型コロナの検査は行いません!!どうして??

世の中の流れに逆らうような見出しで、びっくりされる方も多いかもしれません。
院長がこのような方針にいたった理由を下記に述べます。
子供さんが発熱して、当院を受診される場合、院長の考え方をご理解いただければ幸いです。

感染症の診断検査の目的は二つあります。
●原因を明らかにして、その疾患にあった特別な治療があれば開始する。
現在の新型コロナ感染症ではどうでしょうか?
現時点では、小児のコロナ患者に対して、早期に投与することによって、回復を早めることが確認されており、しかも広く使用の認められている治療薬はありません。従って、新型コロナの診断がついても、治療内容が変更されることはまずありません。幸い、小児の新型コロナ感染症のほとんどは、入院が必要なほどの重症化はせず、自宅療養で回復しており、特殊な治療の必要性はまずありません。
●感染源となる患者を周囲から隔離して、感染の拡大を防ぐ。
この点はどうでしょうか?中国はゼロコロナ政策で、広汎な検査を行い、強権的な隔離処置を行っていますが、それでも感染の拡大を完全に抑え込むことはできていません。現在流行中のオミクロン株では、無症状の感染者も多いことがわかっており、発熱外来を特別に設けて、熱がある患者だけに検査を行って隔離をしても、感染の拡大を防ぐことは出来ないと思われます。

さて、発熱した小児に新型コロナの検査を行って陽性になった場合、どういうことになるでしょうか。
我が国では、法的な規則として、新型コロナウイルス感染症は2類感染症という特別な扱いの感染症になっています。
小児の新型コロナ感染症のほとんどは、インフルエンザよりも軽いくらいで短期間に回復しますが、国の法的な決まりで10日間は療養隔離となります。同居している家族は濃厚接触者として無症状でも7日間は外出が原則禁止となります。(7月21日現在、その後変更。付記に後述。)

以上を勘案しての私の結論はこうです。
小児の発熱者に新型コロナの検査を行っても、患者家族に益することは何もないし、感染の拡大を防ぐ効果もあまり期待できない。
検査結果が陽性の場合、法的な対処規則に従うならば、むしろ患者家族の不利益になると思われる。従って、発熱した小児には新型コロナの検査は行わず、診療制限することなく(当院では特別な発熱外来はもうけず、人数制限も行わずに診療しています。)症状に応じた適切な治療を行うことこそ優先されるべきである。発熱外来がパンクしたので診療を断る、などは本末転倒である。

予想される質問と回答
●子供本人はそれでもよいが、老人や基礎疾患のある人が同居している場合、新型コロナかどうかわかった方が良いのではないか?
→コロナと分かった場合、別居が可能なら検査してもよいでしょう。別居が不可能なら、検査にこだわらずに自宅内での感染対策を行うしかありません。
●親が、新型コロナ感染症に神経質な職場(老人介護施設や病院など)で働いている場合はどうか?
→子供が新型コロナかどうか、はっきりさせないと出勤できない場合は、検査を行わざるをえないかもしれません。その場合はPCR検査が必要です。抗原検査で陰性でも、新型コロナを完全に否定できません。
(子供の新型コロナ感染症が急速に拡大しているため、家族の濃厚接触者が仕事に出られないことの影響が無視できなくなっています。今後、濃厚接触者は無症状でも隔離(自宅待機)が必要というルールは見直される可能性が高いと思います。濃厚接触者でも無症状なら隔離不要ということになれば、子供が新型コロナかどうかはどうでもよくなります。7月21日現在)

付記)
7月23日の朝刊で、新型コロナ感染症の濃厚接触者の待機期間を7日から5日に短縮し、検査(おそらく抗原検査で可)で陰性なら、さらに3日に短縮してよい、という政府の方針が報じられました。濃厚接触者の待期期間は短縮され、いずれは廃止されるかもしれない、との私の予想通りになりました。
しかし、感染者本人の療養隔離期間は10日のままで、濃厚接触者の待期期間だけがどんどん短縮されるというのは、医学的にはどうみてもおかしな話です。これは、まったく「政治的」な判断による方針変更でしょう。
検査で陰性なら、感染性なしとして待機(隔離)を解いてよいというのなら、感染者本人も、解熱して症状が回復した時点で検査陰性なら、隔離を解除してよい、ということになります。小児の場合、熱があれば保育園、幼稚園、学校は休んでいますから、発熱した時点では、新型コロナかどうかにこだわるより、受診希望者全員をきちんと診療することが第一で、どうしても検査にこだわるのなら、解熱して元気になった時点で検査すればよいのではないでしょうか。
発熱患者だけを特別扱いして、一人一人防護服に身を固めて診療し、1時間に5人も診療すれば精一杯で、あふれた患者は診療お断り、というのは、何とも馬鹿げた話だと思います。(7月23日記)

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