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切り傷、擦り傷の治療

元気な子供に怪我はつきもの。ちょっとした切り傷、擦り傷の治療は日常茶飯事でしょう。さて、傷の治療は、まず消毒、つづいてガーゼで覆い、傷を乾燥させてかさぶたを作るのが良い、と長い間信じられてきました。最近、このやり方が大きく変わってしまいました。

傷が治るしくみ

すり傷で出血→血を固める血小板が出る→死んだ細胞や細菌を除去するための免疫細胞が登場する→次に傷口をくっつける細胞が集まり→最後に表皮細胞が傷口を塞ぐ、というようになっています。重要なのは、それぞれの段階で様々な細胞成長因子が分泌され、傷を治そうと働くことです。細胞成長因子とは傷口のジュクジュクのことです。

消毒薬やガーゼは傷の治りをさまたげる!

19世紀に近代細菌学が始まった頃は、傷が治らない最大の原因は感染であると考えられていました。そのため、傷の消毒と清潔なガーゼによる保護が重視され、そのやり方がずっと行われてきたのです。しかし、普通の切り傷や擦り傷なら、水道水でよく洗う程度で簡単には化膿しないことがわかってきました。消毒薬は感染は防ぎますが、傷を治す細胞も殺してしまいます。ガーゼは傷を治す働きをするジュクジュクを乾かしてしまいます。いずれも傷の治りをかえって妨げるのです。

小さな切り傷、擦り傷の治療の実際

 傷はまず水道の水でよく洗ってください。消毒薬は使ってはいけません。特別な滅菌水の必要もありません。多少出血してもかまわず充分洗います。洗った後で水でぬらしたティッシュペーパーで圧迫すれば止血します。止血したらワセリン(薬局で売っています。)を塗ったラップ(調理用のものでよい。)で傷を覆います。ラップは、ずれないようにバンソウコウで留めるか包帯で巻いて固定します。女性のストッキングを利用しても結構です。(小さな傷の場合は市販のバンドエイドキズパワーパッドを使ってもよい。)これでおしまいです。

ラップは1日1回は交換し、皮膚を洗います。傷の周りは石鹸で洗いますが、傷の部分はさっと流水で流すだけにします。(あまりつよく洗うと傷の治癒を妨げます。)汗ばむ暑い季節には交換の回数を適宜増やしてください。傷の表面がつるつるした薄い皮膚で覆われれば治療終了です。普通の傷は数日以内でこの状態になります。ただ、できたばかりの薄い皮膚を日光にさらすと色素沈着が残りますので、痕を残したくない場合は、しばらく直射日光に当てないようにしてください。

こんな時は専門医を受診する

傷が深くて縫合の必要がありそうな場合や、傷が化膿して治りが悪い時は、専門医(皮膚科、出来れば形成外科専門医がよい。)を受診してください。傷の縫合は急ぐ必要はありません。出血が止まらない大怪我でなければ、まず前述の応急処置をしておき、平日日中の通常の診療時間を待って受診して大丈夫です。

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